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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則141
「ウェアラブルデバイス、どう使う?」②
前回は、
ウェアラブルデバイスによる睡眠計測をきっかけに、
日中の行動を変えていくことについて
お話ししました。
引き続き、
よく寄せられるご質問への回答をしながら、
上手な使い方を知っていきましょう。
Q:「深い睡眠とかレム睡眠のデータを見ても何がいいのかわからない」
A:「その日の行動の結果を読み取って、よりよい行動を選んでみましょう」

睡眠データは、
深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠に分けられて表示されることが多いです。
標準的な割合は、
深い睡眠20%、浅い睡眠55%、レム睡眠25%程度です。
浅い睡眠→深い睡眠→浅い睡眠→レム睡眠というサイクルが繰り返されて、
睡眠の前半に深い睡眠が集中し、後半にレム睡眠が集中して出現します。
この睡眠の「形」が、睡眠スコアの1つの根拠になっているのですが、
この「形」と、就寝前の行動と照らし合わせると、
睡眠改善に有効な読み取り方ができます。
例えば、
夕食や眠る前に炭水化物を多めに食べると、
深い睡眠が少なくなり、レム睡眠が増えます。
食事と睡眠の関係が読み取れれば、
「そうか、昨日の夜は炭水化物を食べ過ぎたかも。何を控えてみようかな」と、
食事内容を見直すきっかけに使えます。
また、
手足を温めてから眠ることで、
深い睡眠が増えていれば、
入浴や足湯の効果を確認することができます。
睡眠のデータには、
その要因となる行動があるはずです。
睡眠の質をより向上することができる
自分なりの行動を見つけるのに役立ててみましょう。
Q:「睡眠時間のグラフを見ても、目標達成の意欲が湧かない」
A:「日中の作業と照らし合わせてメンタルを客観視してみましょう」
時間的な睡眠の不足は、気分に影響します。
家事や仕事で、
作業がうまく進まずにイライラしたら、
その原因は、睡眠不足かもしれません。
睡眠時間を計測することで
「睡眠時間が短めだったな。」という日は、「今日は苛立ちやすいから気をつけよう」と、
気分が不安定になることに、あらかじめ準備しておくことができます。
睡眠時間が長い日と、
気持ちよく作業ができた日が照合できれば、
数分でも早寝をしてみる動機づけになると思います。
いかがでしたでしょうか。
単純に睡眠データだけを見るのではなく、
日中の行動や気分の原因や結果を見つけていき、
生活を楽しく豊かにしていく使い方をしていきましょう。

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
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