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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則145
就寝中のトイレ悩みは対策できる?
ずいぶん寒くなってきましたね。
寒い外から温かい室内に入ると、
急にトイレに行きたくなることがありませんか?
今回は、
睡眠中の排尿の悩み対策についてお話しします。
この季節、
トイレで目覚めてしまう人が
多いのではないでしょうか。
これには、
尿を溜めて排泄する、
自律神経の働きが関係します。
まず、
自律神経の基本的な仕組みです。
気温が下がって体が冷えると、
「交感神経」の活動が高まります。
反対に、
体が温められると
「副交感神経」の活動が高まります。
そして、
排尿の仕組みです。
膀胱に尿が溜まると、 「交感神経」の活動が高まり、
下腹神経の働きで膀胱の筋肉が緩められます。
同時に、
膀胱の出口にある
尿道括約筋が収縮します。
この働きで、
膀胱にたくさん尿を溜めることができ
一定量まで溜まると
尿意を感じます。
すると、「排尿反射」が起こります。
「副交感神経」の活動が高まり、
下腹神経の働きは低下して、
膀胱の筋肉は収縮します。
そして、
尿道括約筋が弛緩して、
排尿します。
自律神経の働きと、
排尿の仕組みを合わせると、
このようになります。
就寝前に、
体、特に下腹部が冷えてしまうと
膀胱に尿が溜められます。
冷えたままだとしっかり尿が出きらないため
就寝前にトイレに行っても、
残尿感があります。
ベッドに入って眠り、
体が温まってくると、
トイレに行きたくなる。
これで目覚めてしまう、
というわけです。
入浴から就寝までの間で、
膀胱を冷やさなければ、
目覚めることは防げます。
そこで、
就寝前には、
湯たんぽなどの温かい物で
下腹部を温めてみましょう。
40度程度で
緩やかに下腹部を温めた実験では、
1日の排尿回数が多すぎる人は減り、
排尿回数が少なすぎる人は増えた、
という結果が得られています。
つまり、
適切な排尿の機能が
回復したということです。
排尿にはリズムがあり、
適切に機能すれば、
就寝中に排尿反射は起こりません。
膀胱がしっかり働けるように、
温めてサポートしてみましょう。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
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