-
●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則146
冬の朝の頭をすっきりさせる工夫
冬は日の出が遅く
朝起きても、外はまだ真っ暗。
朝が暗いと、
気分も上がらず、
昼間も眠くなりがちではありませんか?
日の出が遅くなることで
気分や眠気の影響を受けるのは、
光感受性が高い証拠です。
目には、
9つの受容体があります。
そのうちOPN4という受容体は、
生体リズムの調整に関係しており
多く持つ方は、光の影響を受けやすいです。
以下の3点が当てはまる方は多く持つ方と言えますので
対策を立ててみましょう。
・日中外出せずに家にいると、夜になっても眠くならない
・夜、明るい部屋にいると目が冴える
・家電のスタンバイランプなど小さい電気がついているだけで気になる
【対策】朝日が昇る前から活動するときは、照明を活用しましょう
網膜に光が当たると、
「睡眠や覚醒のリズムを調節するホルモン=メラトニン」が減って
頭がスッキリします。
必要な光の量は、2,500ルクス以上です。
室内照明は500ルクス程度なので、
室内の照明をつけてもメラトニンは減りません。
そこで、
デスクライトやメイクで使うライト付きのミラーなどの光をつけて
直接光源を見ずに、
顔を近づけて1分ほど脳に光を届けてみましょう。

それらのライトの照度は、
1,500ルクス程度ですが、
近づくことでメラトニンを減らすことができます。
光を浴びればいいなら、
スマホ画面でもいいのか?と思われるかもしれません。
スマホの画面は、
100ルクス程度で、
一般的には
メラトニンを減らす効果は期待できません。
ただ、
光に対する感受性は、
個人差が大きく
最も感受性の低い人は、
スマホを見ていてもメラトニンは10%程度しか減りませんが、
最も高い方では、
この程度の光でも80%程度メラトニンが減ることがあります。
もし、スマホ画面で代用する場合は
明るい画面を見続けるのは、負担が大きいので、
画面を直接見ず顔に近づけるようにしてみましょう。
そして、照明で目が覚めたとしても
朝日が昇ったら、
窓際1m以内に入るか、
窓から顔を出して脳に光を届けましょう。
脳は、
朝の光を感知することで、
2か月後の気温と気圧の変化に備えて
体の準備をします。
冬の光は弱いですが、
その光が、
季節の変化に柔軟に適応する体をつくります。

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。