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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則147
冬の眠りは酸欠にご注意を
明けましておめでとうございます。
本年も、
毎日の生活にお役立ていただける情報の発信に努めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、
休みが明けて出勤して、
会議室に大勢集まったら、
頭がボーっとして眠くなってしまった・・・
ということは、ありませんでしたか?
この眠気は、
その空間の二酸化炭素(CO2)濃度の問題で起こります。
室内のCO2濃度が高くなると
眠くなることは研究で明らかになっています。
誰もいない600ppmのCO2濃度の部屋に
1人で入って作業をすると1500ppmに上昇し
眠気は6%増加しました。
それに対して、
大勢が部屋に入った場合は3500ppmまで上昇して、
眠気が62%に増加しました。
CO2濃度が上がると、
酸欠状態で眠くなるのです。
部屋に一人でいるときのCO2濃度は、
およそ1200ppm~1500ppmですが、
会議室に大勢の人がいる場合は、
およそ3500ppmと、
CO2濃度2倍以上になっているため眠気を感じるというわけです。
また、特に普段の呼吸の浅い方が
大勢の人が部屋にいると眠くなる傾向にあります。
そういった方は
深い呼吸の癖付けをすると改善されるかもしれません。

人間の呼吸は、
息を吐き切ることで肺を陰圧にして
自然に空気が吸い込まれることで成立しています。
つまり、呼吸は「吐いて吸う」もの。
そこで、7秒息を吐き切って3秒息を吸う
10秒呼吸をやってみましょう。
息を吐き切れば、
何もしなくても勝手に深く息が吸えることが分かります。
10秒呼吸を6回やれば1分で呼吸スパンを変えられますし、
お風呂に入っている間や
眠る前にやれば、生活に取り入れやすいと思います。
ここまでの話しで、
寝室はCO2が高ければ眠りやすいのかと思われる方もいるかもしれませんが
もちろん、酸欠状態では決して質の良い眠りとはいえません。
良質な睡眠を得る条件は、
寝室のCO2濃度が1000ppm以下であることとされています。
就寝時の寝室が500ppmだとして、
親子3人で眠った場合、
寝室のドアが開いていると、
9時間後のCO2濃度は1000ppm以下です。
しかし、
寝室を締め切った場合、
9時間後に4000ppm超えてしまいます。
寒い時期は、
寝室のドアを閉める場合が多く、
睡眠の質が低下しがちです。
呼吸を変えること、
寝室を換気してから温めるなど工夫することで、
酸欠を防ぎ質の良い睡眠を。

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
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