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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則151
睡眠からできる花粉症対策
花粉症の季節、
日中の眠気やだるさ、
夜の眠りにくさでお悩みの方が多いのではないでしょうか?
今回は、そんなお悩みの方への
睡眠対策をお話しします。
花粉症症状があると、
鼻詰まりで「呼吸がしづらくなる」から
眠りが浅くなる。
そう思われがちですが、
花粉症と無呼吸の関係を調べた実験では、
それほどはっきりとした関係は明らかになっていません。
鼻づまりによる弊害は、
「呼吸のしづらさ」よりも、
脳温(深部体温)に関係します。
脳の温度は、
急激に低下するほど寝つきがよくなり、
睡眠の質が上がります。
鼻呼吸によって、
脳に向かう血管に風が当たると、
血液が冷やされて脳温が下がる。
このような仕組みが
鼻づまりで機能しなくなると、
寝つきが悪くなったり、
睡眠が浅くなったりしてしまいます。
そこで、
保冷剤を使って
手っ取り早く脳温を下げてみましょう。

冷凍したタオルや
柔らかい保冷剤などを使って、
耳から上の頭を冷やします。
枕の上半分に
冷たい物を置いてそのまま眠れば
脳温が下がります。
首が冷えると、
脳が覚醒してしまうので、
冷やすのはあくまでも耳から上の頭だけにしてみましょう。
脳の温度は、
脳内で自律神経を司る視床下部によって
制御されています。
この制御は、
とてもゆるやかに行われるので、
頭を冷やして眠るのは数日続けてみましょう。
もうひとつ、即効性のある対処法として
手足から放熱することで深部体温を下げる仕組みを利用することもおすすめです。
入浴後、就寝までの間に
レッグウォーマーで足首を温めたり、
手浴や足湯をしたりすることでも、
手足の放熱を促すことができます。
また、「睡眠の質の低下で花粉症が悪化する」とも
考えられています。
睡眠不足により、
脳の扁桃体の活動が活発になると、
些細なことでイライラしやすくなります。
イライラが続くと、
副腎が疲労してホルモンのバランスが崩れます。
その結果、
花粉症などのアレルギー反応が促進されてしまうのです。
春は、
新生活の準備や歓迎会などのイベントで
夜が遅くなりがちです。
早めに帰宅できた日は、
部屋を暗くして、
入浴時間を早め、
思い切って睡眠に充ててみましょう。
放熱を促して睡眠の質を上げつつ、
ときには睡眠の量も増やして、
この時期を乗り切りましょう!

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
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