毎日を充実させる睡眠の法則161

●睡眠の法則

毎日を充実させる睡眠の法則161

ナイトルーティーン。本来の意味は？

眠る前の入眠儀式、
ナイトルーティーンはありますか？

マッサージやストレッチ、
瞑想や読書など
いつもの順番でいつものことをして
自然な眠気を誘う。

vol161_ナイトルーティーン。本来の意味は？

ただ、
いつも通りのことをしても眠れない日や、
睡眠によいとされることを試すたびに
ルーティーンが増えて負担になってしまうなど、
なかなかうまくいかないことも。

ナイトルーティーンの本来の意味を理解し、
上手に活用しましょう。

脳にとってルーティーン（日課、習慣）は
「新奇情報」を減らす意味があります。

脳は、
「新奇情報」に反応します。

メールやチャットが来ていたり、
SNSで推しのイベントを知ったり、
気になっていることの広告が目に入る。等

「新奇情報」を見聞きすると、
脳を目覚めさせるノルアドレナリンが増加します。

ノルアドレナリンは、
普段とは違うことに反応して周囲を警戒する役割を持っているので、
心拍数や血圧が上がり、
変化に身構えます。

この反応が
私たちを興奮させ、また疲労させます。

ナイトルーティーンは、
眠るときに脳が鎮まるように
ノルアドレナリンを減らすことを狙っています。

ただ、
1日中、「新奇情報」にさらされて脳が興奮してしまうと
ナイトルーティーンだけでは鎮まりません。

大切なのは、
1日を通して「新奇情報」をコントロールして
脳を興奮させ過ぎないことです。

例えば、
初対面の人に会うときに
気合を入れて
新しい洋服を着たり
バッグや靴を新しくすると
「新奇情報」が増え過ぎて脳が興奮し、
気持ちが焦り、慌ててしまいます。

新しいことがあるときは引き算して、
いつも通りの洋服や持ち物で
臨むと落ち着いて過ごすことができます。

私たちの脳は、
1日に3万5千回も
情報を選択していると言われています。

「新奇情報」が多ければ、
選択の度に脳は興奮し、
未知の状況に身構えます。

うまく眠りにつけないなと感じる方は
意識して
日常にルーティーンを取り入れてみましょう。

昼間に落ち着いて過ごせれば、
ナイトルーティーンだけに頼らずとも
夜になれば自然な眠気が訪れます。

菅原洋平

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック（東京都千代田区）で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる！行動力を高める科学的な方法』など多数。