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●睡眠の法則
毎日を充実させる睡眠の法則164
忙しいと夢を見ることが増える
師走に入り、
世間の雰囲気がだんだん忙しくなってきました。
情報量が多くなって脳が疲労すると
睡眠中に夢を見ることが多くなります。
夢の調査では、
大抵自分が主人公で、
内容の70%は現実の関心事でした。
これは、気になっていることを夢で体験しているといえます。
ただし、
睡眠中は、
現実的にはあり得ないことを発見する役割を持つ
ノルアドレナリンの分泌が止まり
現実と非現実が混ざります。
その影響で現実の関心ごとが加工されるのですが、
調査では、それが幸運より不幸に、
例えば、
思いやりを感じるよりも攻撃性を感じる内容に加工される傾向がありました。
忙しくなると
夢見が悪かったと思うのはこのためです。
情報量が増える原因は、
スマホやパソコンなどのデジタルツールですが、
興味深いことに、
夢の報告には、
パソコンやスマホなどのデジタルデバイス、
ネットやSNSなどのデジタルツールがほとんど登場しません。
理由は明らかではありませんが、
デジタルツールを介した体験を、
体の感覚に置き換えて理解し直そうとしているのかもしれません。
情報処理が追い付かないから
睡眠中に「残業」をしていると考えることもできます。
夢が不幸な内容に加工されやすいことにも
役割があると考えられています。
悪い夢は、
より最悪な事態の予習だという考え方です。
試験を目前にした人の夢の調査では、
試験前に、試験の夢を見た人は見なかった人よりも
20%成績が良かった、という結果が得られています。
忙しいときほど
睡眠を使って脳に情報処理をさせてみましょう。
残業と準備ができて翌日は安心して過ごせます。
菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集める。主な著書に、13万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』、10万部突破の『すぐやる!行動力を高める科学的な方法』など多数。
著書:あなたの人生を変える睡眠の法則2.0
イラスト/菅原洋平
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