2026.06.12

情報に振り回されない養生の考え方

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#養生 #東洋医学 #習慣 #セルフケア #セルフマネジメント

健康情報が多すぎる時代

なんとなく体にいいことを始めたい。

そう思ってSNSや動画を見ていると、

次から次へと健康情報が流れてきませんか?

現代の日本では、新しい健康法やサプリメント、

運動法など、さまざまな「健康ブーム」が

繰り返されています。

情報が多いからこそ、

「何を選べばいいのかわからない」

と感じることもあるかもしれません。

そんな時に大切なのは、

まず「自分の身体を知ること」です。

体質。

年齢。

その日のコンディション。

同じ健康法でも、心地よく感じる人もいれば、負担になる人もいます。

どれほど評判のよい方法でも、自分に合うとは限らないのです。

だからこそ、自分の身体の特徴や、

今の状態を見つめながら選んでいく視点が大切です。

「これをすると気分が軽くなる」

「続けると疲れてしまう」

そんな小さな感覚を、見逃さないでいたいですね。

また、情報をただ受け入れるだけではなく、

「なぜ自分は不調を感じているのだろう?」

と考えてみる姿勢も養生では大切にされています。

専門家の言葉を参考にしながらも、自分なりに考えてみる。

そして、納得しながら取り入れていく。

その積み重ねが、「ヘルスリテラシー」を育ててくれるのかもしれません。

情報があふれる時代だからこそ、外側の正解ではなく、

自分の身体の声を基準にしてみませんか。

自分に合う・合わないの見分け方

養生において、

「自分に合っているかどうか」

を見分ける大きなヒントは、とてもシンプルです。

それは、実践した時に「心地よい」と感じるかどうか。

そして、「楽しい」と思えるかどうかです。

たとえば、周囲で人気の健康法や、

自分の体質に合うとすすめられた方法でも、

なんとなく気が進まないことはありませんか?

「続けるのがつらい」

「やるたびに疲れてしまう」

そんな感覚があるなら、無理をする必要はありません。

まずは、少しでも

「気になる」「やってみたい」と思えるものを試してみる。

それくらいの軽やかさでも、十分なのです。

実際に続けていく中で、

「もう少しこうしたい」「これは違う気がする」

と感じることもあるでしょう。

それは、身体からのサインかもしれません。

その時は、やり方を少し変えてみるのもひとつです。

時間を短くする。

回数を減らす。

好きな香りや音楽を取り入れてみる。

そんなふうに、自分に合う形へ調整していくことで、

「自分流の養生法」が少しずつ見えてきます。

また、ストレッチやマッサージなどは、刺激の強さも大切です。

「しっかりやったほうが効きそう」と思って、

つい頑張りすぎてしまうこと、ありませんか?

けれど、刺激が強すぎると、

身体はリラックスするどころか、

かえって緊張してしまうことがあります。

だからこそ、ポイントになるのは「心地よい」と感じる範囲。

自分の身体と相談しながら、

無理なく続けられる方法を探していく。

その感覚を大切にしてみるとよいでしょう。

養生は引き算で考える

養生というと、

「何かを足すこと」をイメージする方も多いかもしれません。

栄養を補う。

新しい健康法を試す。

身体によいことを増やす。

もちろん、それもひとつの方法です。

けれど東洋医学では、

養生の本質は「引き算」にあると考えます。

私たちは日々、たくさんの情報や刺激の中で暮らしています。

気づけば頑張りすぎていたり、

知らないうちに身体へ負担をかけていたりすることもあります。

だからこそ、

まずは「減らせるものはないかな?」

と見直してみることも大切です。

たとえば、食べすぎ。

飽食の時代だからこそ、腹八分目を意識してみると、

胃腸がほっと休まることがあります。

高価なサプリメントを取り入れる前に、

食べる量や時間を整えることが

助けになる場合もあるでしょう。

また、夜遅くまでスマートフォンを見続けてしまうこと、ありませんか?

情報を浴び続けると、脳が興奮した状態になり、

自律神経も休まりにくくなります。

寝る前だけ少し画面を見る時間を減らしてみる。

それだけでも、眠りの質が変わることがあります。

さらに、「〜しなければならない」という思い込みも、

知らず知らず心を緊張させてしまいます。

無理な人間関係。

頑張りすぎる予定。

自分を追い込む考え方。

そうしたものを少しずつ手放していくことで、

心の巡りが軽くなることもあるのです。

養生は、外にある正解を探し続けることではありません。

自分を疲れさせているものに気づき、少しずつ削ぎ落としていくこと。

そして、心身を「本来のニュートラルな状態」に戻していくこと。

その積み重ねが、無理のない健やかさにつながっていくでしょう。

伊藤 和憲(いとう かずのり)

鍼灸師 / 明治国際医療大学 鍼灸学部長・教授
鍼灸学医学博士・日本養生普及協会会長・日本疼痛学会理事。明治国際医療大学鍼灸臨床部長を務める。
慢性疼痛に対する鍼灸治療、東洋医学的な健康観である養生学の第一人者であり、
『今日からはじめる養生学』(集英社インターナショナル)など著書多数。
東洋医学に基づき、現代女性のための心身のセルフケア指導も行うなど活動は多岐にわたる。
*YojoCheck / Yojoコツ / 1日の過ごし方 / 二十四節気の過ごし方 を監修