生理前、睡眠時間はいつもと変わらないのに、眠くてしかたがないことはありませんか。女性ホルモン「プロゲステロン」の作用で、睡眠の質が落ちているせいかもしれません。生理前の睡眠について紹介します。
生理前に眠いのは体温が高まって熟睡できてないから
生理前に眠くなる原因のひとつに「高温期」であることが挙げられます。月経が始まる2週間ほど前から続く高温期は、いつもより体温が高くなっています。これは、排卵後に急増するプロゲステロンが体温を0.3~0.6℃ほど上げる作用があるためです。
私たちのからだは、体温が下がるタイミングで眠気が訪れます。お風呂などでからだを温めたあと、時間がたつにつれ手足から熱が放散され、深部体温が下がることにより入眠しやすくなるのです。
生理前はプロゲステロンにより体温が高い状態が続くため、(体温が下がらず)入眠のスイッチがうまく働かず、熟睡できずに眠気が強くなるのです。月経が始まると、プロゲステロンの分泌は減少し体温も下がります。自身の高温期をくわしく知りたい方は、基礎体温を記録するといいでしょう。女性ホルモンの変化を把握することができます。
また、睡眠時間の不足により交感神経がたかぶりイライラしやすくなりますが、生理前に起こる頭痛やイライラなどの不快な症状はPMS(月経前症候群)の可能性があります。PMSも急増するプロゲステロンが影響すると考えられていて、症状の種類や不調の強さはさまざまですが、生理が始まるとラクになるのが特徴です。
高温期には、ゆっくりお風呂に浸かったり、軽いストレッチをしたり、好きな香りのアロマをたいたりしてリラックスをこころがけ、睡眠の質を高めましょう。夜中に目が覚めても、スマホや照明などをつけると覚醒してしまいますので、見ないようにするのがおすすめです。
参考:
高尾 美穂著『女性ホルモンにいいこと大全 オトナ女子をラクにする 心とからだの本』 (扶桑社BOOKS)
高尾 美穂著『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)
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