文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授) イラスト/中根ゆたか
秋分の日(9月23日)から始まる二十四節気の「秋分」ですが、この日を境に夜が長くなり、秋が深まっていきます。
同時に、ホルモンバランスが乱れやすい時期ともいわれています。農作物が収穫時期を迎えるように、からだも春からの習慣や食事がホルモンの生産・分泌となって表れます。その差がわかりやすいのは、肌の状態です。昔から「肌を見れば心の調子がわかる」といわれるように、肌は心とからだ全般の調子を反映しているのです。
秋分にケアしたいツボ
陽池(ようち)
位置:手の甲側で、小指と薬指の間を手首方向に指をあてていき、手首の付け根あたりのくぼみのところ。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回押すようにしましょう。なお、ゴルフボールで刺激したり、お灸を行うこともおすすめです。
効果:全身の血流をよくして、からだを活性化してくれます。ターンオーバーを促進し、肌荒れや抜け毛、冷えからくる月経異常改善などに効果があります。
関衝(かんしょう)
位置:薬指の爪の生え際の脇、小指側にあるツボ。
方法:イタ気持ちいいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回押しましょう。
効果:ホルモンの分泌をコントロールし、体調を整える効果があります。生理不順や更年期障害などの症状緩和にも効果的です。血液循環がよくなることから、ホルモンバランスだけでなく、肌を滑らかにする効果も期待できます。
膻中(だんちゅう)
位置:左右の乳頭を結んだ線の真ん中、胸骨のところ。そのあたりを人差し指で押さえていちばん痛いと感じるところです。
方法:気持ちよい程度に軽く5秒程度マッサージするのを1セットとし、5回ほど刺激するようにしましょう。また、突起物のついたシールや米粒などを貼っておくとさらに効果的です。
効果:女性ホルモンの分泌を促進するツボで、循環をよくしてくれます。美肌効果やむくみにも効果的です。また、ストレスのツボでもあることから、精神疲労に伴う不眠やイライラなどに効果を発揮します。