文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授) イラスト/中根ゆたか
春から夏にかけて育んできたものが実り、いよいよ収穫を迎えるこの時期。人の行動も同様で、春から培ってきたもの、準備してきたことが実を結び、人から注目されたり、高揚感が得られたりするころです。
一方で、この高揚感と「食欲の秋」が重なることで、食べ過ぎて体重が増えたり、内臓に負担をかけて体調を壊しがち。この時期に消化器系に負担がかかると、自律神経のバランスをくずし、のちに免疫機能が低下し、かぜを引いたり、膀胱炎などの感染症を発症しやすくなってしまいます。体重だけでなく健康のためにも、「腹八分目」を心がけましょう。
寒露にケアしたいツボ
飢点(きてん)
位置:耳穴の前にある「飛び出しているふくらみ」の少し下。
方法:イタ気持いい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回行いましょう。親指と人差し指でつまむようにしてもんだり、爪楊枝の頭などで刺激したりするのも効果的です。
効果:食欲を抑えるため、ダイエットのツボとして知られています。食事の10〜20分前に刺激すると効果的です。ダイエット中、おなかがすいたときにこのツボを刺激し、食欲をがまんできそうならする。20分経ってもおなかがすいているなら食事をとる、というふうに、活用してみてもいいでしょう。
神門(しんもん)
位置:耳上部のY字型軟骨の間にあり、耳の内側のくぼみ上側にあるポイント。
方法:イタ気持ちいい程度に、5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど刺激しましょう。親指で押しもむようにしたり、綿棒などで刺激するのも、効果的です。
効果:ダイエットの目的にも使えますが、自律神経を整えるツボとしても知られています。ダイエットのストレスやイライラを抑えたいときに活用しましょう。
地倉(ちそう)
位置:口角(口の端)から少し外側。
方法:イタ気持ちいい程度に、5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど刺激を行いましょう。あまり力を入れずに、ゆっくりと指の腹でマッサージするだけでも効果があります。
効果:食欲を抑えるだけでなく、口内炎など口の中のトラブルにも効果的です。また、ほうれい線・シワ・たるみ・肌荒れなどが気になったときにも、おすすめです。