文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授) イラスト/中根ゆたか
霜降(10月23日)になると、寒さの深まりを急激に感じられるようになります。寒冷順化といわれるように、寒くなればなるほど、からだも寒さに立ち向かう準備が必要です。
体温調節や発汗調節は自律神経が深く関与しているのですが、この時期は自律神経が疲弊しやすく、調整が上手くできないこともあります。免疫力も低下しやすく、かぜやアレルギーなどを発症しやすいのも、この時期です。さらに、寒さにより動きがにぶって循環が悪くなり、手足の冷えやむくみが目立つことも。特に慢性的な疾患を抱えている人は、悪化させないよう早めのケアが必要です。
霜降にケアしたいツボ
八風(はっぷう)
位置:左右の足の指の間に位置するツボで、指の股の部分。
方法:足指の先からツボの位置をつまむように、刺激します。イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど毎日行いましょう(両方の足を同じように)。冷えが強い場合はお灸を行うことも効果的です。
効果:冷え性、生理痛、生理不順、むくみなど女性ならではの症状に対し、予防効果を発揮します。
指間穴(しかんけつ)
位置:人差し指〜小指の各間に位置するツボ。手の指の股の部分。
方法:反対の手の指を使って、イタ気持ちいい程度につまみましょう。5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど行うようにしましょう(両方の手を同じように)。冷えが強い場合は、お灸を行うことも効果的です。
効果:自律神経を整え、全身の循環を促します。手の冷えだけでなく、手のしびれや手の乾燥・多汗症などにも効果的です。
外関(がいかん)
位置:手首の横じわから指3本分ひじのほうに下がった骨の間。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど押すようにしましょう。また、爪楊枝やボールペンの先、ゴルフボールなどで刺激を加えてもいいでしょう。
効果:からだをリラックスさせ、自律神経の機能を調整してくれる万能のツボです。冷え性以外にも、眼精疲労や頭痛・車酔いや船酔い・めまい・腰痛や慢性化した発熱を和らげる効果があります。