2026.09.04

自律神経と女性の揺らぎ

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#養生 #自律神経 #リズム #セルフケア #セルフマネジメント

自律神経の基本

なんとなく疲れが抜けない。

しっかり休んだはずなのに、気持ちが落ち着かない。

そんな日が続くことはありませんか?

私たちの身体には、

24時間休むことなく働き続けている調整システムがあります。

それが「自律神経」です。

自律神経には、活動や緊張に関わる交感神経と、

休息や回復に関わる副交感神経があります。

よく、交感神経をアクセル、副交感神経をブレーキにたとえます。

この2つがバランスよく働くことで、心拍や呼吸、消化、

体温、免疫など、身体のさまざまな機能が保たれています。

実は女性の場合、自律神経の働きはエストロゲンやプロゲステロンといった

女性ホルモンとも深く関わっています。

月経周期を通して調べた研究では、時期によって心拍数や心拍変動が変化し、

自律神経にも大きく影響することが確認されています。

また、閉経後にはエストロゲンの低下とともに心拍変動が変化することもわかっています。

東洋医学では、こうした身体の働きを「気・血・水の巡り」という言葉で表現してきました。

現代的な視点で見ると、この考え方は自律神経の調和とも重なる部分があります。

「最近なんだか疲れやすいな」

「気持ちが安定しにくいな」

そんなとき、つい自分の頑張りが足りないのではないかと思ってしまうこともあるかもしれません。

けれど、背景にはホルモンや自律神経の変化が関わっている可能性もあります。

まずは、意志の弱さや怠けではないことを知る。

それが、自分の身体と穏やかに付き合うための第一歩になるでしょう。

ストレスとホルモンの関係

忙しい日々が続くと、気づけば肩に力が入っていることはありませんか?

私たちの身体には、ストレスから身を守るための仕組みが備わっています。

ストレスを感じると、視床下部、下垂体、副腎という流れが活性化し、

「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。

これは本来、緊急時に身体を守るための大切な反応です。

ただし、その状態が長く続くと、交感神経が働きすぎてしまい、

副交感神経による回復が追いつきにくくなることがあります。

特に女性は、エストロゲンがストレス反応の仕組みに影響するため、

ホルモンの変化が大きい時期に心身の揺らぎを感じやすいと考えられています。

月経前。

更年期前後。

産後。

こうした時期に、「なぜかいつもより感情が揺れる」「小さなことが気になる」

と感じることもあるのではないでしょうか。

それは気のせいではなく、身体の変化と関係しているのかもしれません。

また、黄体期に増えるプロゲステロンに関わる物質は、脳の興奮を調整する仕組みにも影響します。

その調整がうまくいかないと、気分の落ち込みやイライラにつながることがあると考えられています。

身体は毎月のホルモンの波に合わせて、少しずつ状態を変えながら過ごしています。

だからこそ、ストレスが重なる時期には無理をしすぎないことも大切です。

「まだ頑張らなきゃ」と自分を追い込むよりも、

「今日は少しペースを落としてもいいかもしれない」と考えてみませんか。

予定をひとつ減らす。

休憩時間を少し長く取る。

早めに布団に入る。

そんな小さな余白が、心と身体の緊張をゆるめる助けになることがあります。

東洋医学では、「頑張らないこと」も養生のひとつです。

今の自分が心地よくできる範囲を見つけることが、巡りを整える近道になるでしょう。

呼吸・睡眠の整え方

自律神経を整えるために、特別なことをする必要はありません。

まずは毎日の暮らしの中で取り入れやすい「呼吸」と「睡眠」に目を向けてみませんか。

忙しいときほど、呼吸は浅くなりがちです。

気づけば息を止めるように集中していた、なんてこともありますよね。

ゆっくりとした深呼吸は、副交感神経を働かせるための身近な方法です。

呼吸が整うことで、交感神経の高ぶりも落ち着きやすくなります。

1分間に6回ほどのゆっくりした呼吸は、心拍変動を高め、

不安感やお腹の不快感をやわらげることにつながると考えられています。

難しく考えなくて大丈夫です。

まずは鼻から34秒かけて吸い、口から78秒かけて吐いてみてください。

歯磨きの時間。

仕事の合間。

信号待ちの時間。

そんな日常のすきま時間でも取り入れられます。

また、自律神経を整えるうえで欠かせないのが睡眠です。

眠りが浅かったり、睡眠時間が足りなかったりすると、

副交感神経が働きにくくなり、身体が休まりにくくなることがあります。

最近、朝起きても疲れが残っていると感じることはありませんか?

そんなときは、眠る前の過ごし方を少し見直してみるのもよいでしょう。

就寝12時間前に3840度のぬるめのお風呂に入る。

ラベンダーの香りを楽しむ。

寝る直前のスマートフォンを控えてみる。

どれも今日から始めやすい養生です。

もちろん、毎日完璧にできなくても大丈夫です。

眠れない夜がある日もあれば、深呼吸を忘れる日もあるでしょう。

それでも、自分を責める必要はありません。

大切なのは、自分に合う方法で少しずつ続けていくことです。

ゆったり呼吸をすること。

心地よく眠る工夫を重ねること。

そんな小さな積み重ねが、自律神経を整え、

女性の揺らぐ身体をやさしく支える土台になってくれるかもしれません。

伊藤 和憲(いとう かずのり)

鍼灸師 / 明治国際医療大学 鍼灸学部長・教授
鍼灸学医学博士・日本養生普及協会会長・日本疼痛学会理事。明治国際医療大学鍼灸臨床部長を務める。
慢性疼痛に対する鍼灸治療、東洋医学的な健康観である養生学の第一人者であり、
『今日からはじめる養生学』(集英社インターナショナル)など著書多数。
東洋医学に基づき、現代女性のための心身のセルフケア指導も行うなど活動は多岐にわたる。
*YojoCheck / Yojoコツ / 1日の過ごし方 / 二十四節気の過ごし方 を監修