2026.09.11

揺らぎを否定しないセルフケア

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#養生 #自律神経 #東洋医学 #ホルモンバランス #セルフケア

揺らぎは異常ではない

「昨日は元気だったのに、今日はなんだか気分が重い」

「普段ならできることなのに、今日はしんどく感じる」

そんな日はありませんか?

調子の波を感じると、「自分がおかしいのでは」

と不安になることもあるかもしれません。

けれども、心や身体に揺らぎがあることは、とても自然なことです。

私たちの身体は、月経周期やホルモンバランス、

睡眠、気温の変化、ストレス、食事など、さまざまな影響を受けながら日々変化しています。

毎日まったく同じ状態でいることのほうが、むしろ難しいのかもしれません。

東洋医学では、健康とは常に一定の状態を保つことではなく、

変化しながらもバランスを取れている状態だと考えます。

活動する力が十分にある日もあれば、静かに休むことが必要な日もあります。

揺らぎは悪いものではなく、身体が今の状態を教えてくれているサインともいえるでしょう。

だからこそ、大切なのは揺らぎを「なくさなければならないもの」と考えないことです。

波がある自分を責めるよりも、「今日はどんな過ごし方が合っているだろう」と考えてみませんか。

揺らぎを否定しないことが、セルフケアの第一歩になります。

波を前提にした生活

波を前提にした生活とは、毎日同じように頑張ろうとするのではなく、

その日の状態に合わせて過ごし方を少し調整することです。

元気な日は少し活動する。

疲れている日は無理を減らす。

そんな柔軟さが、心身を整える助けになります。

つい「昨日できたのだから今日もできるはず」と考えてしまうことはありませんか?

けれども、身体の状態は毎日少しずつ変わっています。

その変化を無視するのではなく、寄り添うことが養生の考え方です。

自分の波を知るためには、簡単な記録をつけてみるのもよいでしょう。

月経周期、睡眠時間、気分、身体の重さなどを一言だけメモする程度でも十分です。

「軽い」「普通」「重い」

そんな短い記録でも、続けていくうちに自分なりの傾向が見えてくることがあります。

また、起床時間や食事の時間を大きく乱さないことも、波を穏やかに保つ助けになります。

生活の中にいくつかの決まった習慣があると、少し揺らいだときにも戻りやすくなります。

波をなくすことを目指すのではなく、波があっても戻ってこられる場所をつくる。

そんな視点で暮らしを整えてみるのもよいでしょう。

受け入れるケア

揺らぎを受け入れるというと、「我慢すること」と感じる方もいるかもしれません。

けれども、そうではありません。

「今はこういう状態なんだな」と認めたうえで、その日に合うケアを選ぶことです。

気分が重い日は、予定を少し減らしてみる。

いつもより早めに休む。

温かい飲み物や食事を取り入れる。

そんな小さな工夫でも十分なセルフケアになります。

また、どんな言葉を自分にかけるかも大切です。

「またできなかった」

「もっと頑張らなきゃ」

そう思う日もあるかもしれません。

そんなときは、「今日はここまでできた」「今の自分にはこれで十分」と言い換えてみませんか。

深呼吸をした。

身体を温めた。

少し早く眠れた。

それだけでも、自分をいたわる大切な行動です。

さらに、好きな香りを楽しむ、音楽を聴く、窓の外の光を眺めるなど、

感覚を心地よくする時間も養生につながります。

ツボ押しを取り入れるなら、親指と人差し指の付け根にある「合谷」をやさしく押してみるのもよいでしょう。

強く押す必要はありません。

気持ちよいと感じる程度で十分です。

揺らぎをなくそうと力を入れるのではなく、「今の自分に合う整え方は何だろう」と耳を傾けてみること。

その積み重ねが、波とともに心地よく過ごしていくためのセルフケアにつながるかもしれません。

伊藤 和憲(いとう かずのり)

鍼灸師 / 明治国際医療大学 鍼灸学部長・教授
鍼灸学医学博士・日本養生普及協会会長・日本疼痛学会理事。明治国際医療大学鍼灸臨床部長を務める。
慢性疼痛に対する鍼灸治療、東洋医学的な健康観である養生学の第一人者であり、
『今日からはじめる養生学』(集英社インターナショナル)など著書多数。
東洋医学に基づき、現代女性のための心身のセルフケア指導も行うなど活動は多岐にわたる。
*YojoCheck / Yojoコツ / 1日の過ごし方 / 二十四節気の過ごし方 を監修