文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授) イラスト/中根ゆたか
立秋(8月7日〜)のころは、日中はとても暑いものの、朝晩は少しずつ涼しく感じるようになる時期。1日の中で温度差があり、からだは体温調節をさかんにしなければなりません。体温調整をつかさどる自律神経の機能が低下すると、夏なのに手足に冷えを感じたり、冷房が寒く感じたり、食欲が低下したり、ひどいときには食中毒を起こしやすくなります。夏バテや夏かぜにもつながるので、からだをあたためつつ、ツボケアも日常習慣に。
立秋にケアしたいツボ
労宮(ろうきゅう)
位置:軽く握りこぶしをつくったときに中指と薬指の先端が触れる場所。
方法:反対の手の指で、イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど行いましょう。ゴルフボールなどを握り、刺激するのもいいでしょう。
効果:特に精神的な疲れに効果があります。また、自律神経の働きを整えるツボなので「夏バテ」だけでなく、「ストレス」「不眠」「うつ症状」「だるさ」などを改善できます。
湧泉(ゆうせん)
位置:足の裏、指をグッと内側に曲げると足裏にくぼみができる場所です。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回ほど刺激しましょう。ゴルフボールで刺激したり、お灸をするのもおすすめです。
効果:肉体的な疲労を改善してくれる、元気の源となるツボ。からだ全体に血流を巡らせるため、「足の冷え」「脚の疲れ・むくみ」はもちろん、更年期による体調不良、生理痛にも効果があります。
関元(かんげん)
位置:おへそに手を置いて、指4本分(5〜6cm)ほど下
方法:仰向けでおなかに手を重ね、力を入れずに優しくツボを「押して離す」動作を10回ほど繰り返します。また、このツボを中心に円を描きながらマッサージしたり、冷えている場合にはお灸やカイロを貼るのもおすすめです。
効果:全身の調子を整える大事な場所で、主に生殖器官や泌尿器官などに効果を発揮します。腰痛や下腹部・足の冷え、さらには生理痛や月経痛・月経不順などの婦人科疾患の予防・治療にも効果的です。