#養生 #自律神経 #東洋医学 #冷え #セルフケア
女性の体の構造
「冷えは体質だから仕方がない」と感じている方も多いかもしれません。
けれど、下半身の冷えは体質だけで決まるものではありません。
身体のつくりや毎日の過ごし方が重なり合って現れていることも少なくないのです。
東洋医学では、このような「病気とまでは言えないけれど、なんとなく感じる不調」を未病と呼びます。
身体が送ってくれている小さなサインとして受け止める考え方です。
女性の身体は、一般的に男性より筋肉量が少ないとされています。
筋肉は、身体を温めるエンジンのような存在です。
動くことで熱が生まれ、その熱を血液が全身へ運んでいきます。
特に太ももやお尻には大きな筋肉が集まっています。
そのため、下半身の筋肉があまり使われない状態が続くと、熱をつくる力だけでなく、血液を心臓へ押し戻す力も弱くなりやすいのです。
また、骨盤の中には子宮や卵巣があり、多くの血管が集まっています。
だからこそ、巡りの影響を受けやすい部分とも言えるでしょう。
つまり、下半身が冷えやすいのは努力不足だからではありません。
もともと冷えの影響を受けやすい構造を持っているのです。
まずはご自身を責めるのではなく、「私は冷えやすい身体の特徴を持っているのだな」とやさしく受け止めてみませんか。
そんな視点の変化が、冷えを整える第一歩になるかもしれません。
座りっぱなしの影響
デスクワークの日、気づけば何時間も座ったままだった。そんなことはありませんか。
実は、この“動かない時間”が下半身の冷えに関わっていることがあります。
座った姿勢が続くと、股関節やお尻まわりの血管が圧迫されます。
その結果、下半身へ流れた血液が心臓へ戻りにくくなることがあります。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれています。
歩くたびに筋肉が収縮し、血液を押し上げるポンプの役割を担っています。
しかし座りっぱなしでは、そのポンプが十分に働きません。
さらに仕事に集中して緊張状態が続くと、交感神経という身体のアクセルが入り続けます。
すると手足の末端の血管が縮こまり、熱が全身へ届きにくくなることもあります。
ここで大切なのは、完璧な運動習慣を目指さないことです。
養生は、頑張って何かを足すことだけではありません。
滞りを減らしていくという考え方もあります。
たとえば1時間に一度立ち上がる。
通勤中にインターバル歩行を取り入れてみる。
椅子に座ったまま、お尻まわりに軽く力を入れてみる。
そんな小さな工夫でも十分です。
できるときに、できることを。
その積み重ねが、巡りを整える助けになるでしょう。
身につけるものとの関係
日々身につけるものも、下半身の冷えと無関係ではありません。
締めつけの強い下着やボトムスを身につけていると、鼠径部やお尻まわりの巡りに影響することがあります。
温めることを考える前に、まず締めつけを減らせないか見直してみるのもひとつの方法です。
そのうえで意識したいのが「頭寒足熱」の考え方です。
東洋医学では、頭は涼しく足元は温かい状態が心地よいと考えられてきました。
上半身は軽やかに、下半身は一枚多めに。
そんなバランスを試してみるのもよいでしょう。
腹巻きやレッグウォーマー、五本指ソックスなどもありますが、何より大切なのは、ご自身が「心地よい」と感じるものを選ぶことです。
みなさんは、身につけるもので季節を楽しむことはありますか。
東洋医学には季節ごとの色のイメージもあります。
冬は黒、春は青というように、季節に合わせて色を取り入れてみるのも、自分をいたわる時間につながるかもしれません。
そして夜は、38〜40度ほどのぬるめのお湯にゆっくり浸かってみませんか。
副交感神経という身体のブレーキが働きやすくなり、下半身がじんわり温まる感覚を得られることがあります。
冷えは、身体からのメッセージとも言えるものです。
完璧を目指さなくて大丈夫です。
その日の自分が心地よいと感じることを少しずつ重ねていく。
その積み重ねが、冷えと上手につき合うヒントになるでしょう。