#養生 #自律神経 #東洋医学 #むくみ #セルフケア
長時間座位の影響
朝から夕方まで、気づけばほとんど椅子に座ったままだった。
そんな日を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
東洋医学では、健康とは「巡り」が滞りなく行き渡っている状態だと考えます。
そして、その巡りが少し停滞したときに現れる、なんとなくの不調を未病と呼びます。
肩こりや足のむくみ、夕方になると感じる重だるさも、身体からの小さなサインかもしれません。
では、長時間座っているあいだ、身体ではどのようなことが起きているのでしょうか。
座位が続くと、股関節やお尻まわりの血管は体重によって圧迫されます。
そのため、下半身へ流れた血液が心臓へ戻りにくくなることがあります。
また、ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれています。
歩くたびに収縮し、血液を押し上げるポンプの役割を担っていますが、座りっぱなしではその働きが十分に発揮されません。
さらに、仕事に集中しているときは交感神経という身体のアクセルが入りやすくなります。
手足の末端の血管が縮こまり、熱や血液が全身へ巡りにくくなることもあります。
まるでエンジンをかけたまま停車している車のような状態です。
夕方のだるさは、能力や体力が足りないからではありません。
身体が正直に反応しているサインかもしれない。まずはそう受け止めてみませんか。
巡りを妨げる習慣
実は私たちは、気づかないうちに巡りを妨げる習慣を重ねていることがあります。
養生では、何かをたくさん足すことよりも、滞りの原因を少しずつ取り除いていく「引き算」の視点を大切にします。
たとえば、集中しているときの呼吸です。
画面に向かっていると、呼吸が浅くなったり、肩に力が入ったままになったりすることはありませんか。
呼吸が浅くなると胸まわりの動きが小さくなり、巡りにも影響することがあります。
締めつけの強い衣類や窮屈な靴も同様です。
鼠径部や足首まわりの巡りを妨げる要因になることがあります。
冷房で足元だけが冷えている環境や、冷たい飲み物を一日中口にする習慣も、身体の状態に影響する場合があります。
そして意外と多いのが、「あと少しだけ頑張ろう」と休憩を後回しにしてしまうことです。
もちろん、すべてを一度に変える必要はありません。
今日はひとつだけ。そんな気持ちで見直してみるので十分です。
頑張りすぎることもまた、身体にとっては負担になることがあります。
自分を追い込むのではなく、少し緩めることから始めてみるのもよいでしょう。
オフィスでできる対策
では、働きながら取り入れやすい養生について見ていきましょう。
養生は、特別なことをするためのものではありません。
日常のなかで、身体が心地よく過ごせる環境を整えていくことです。
まずは一時間に一度、立ち上がってみませんか。
コピーを取りに行く。
給湯室まで歩く。
その程度でも十分です。
座ったままでも、かかとの上げ下げをしてふくらはぎを動かすと、ポンプの働きを助けることができます。
椅子に座ったまま、お尻まわりに軽く力を入れて数秒保つのもよいでしょう。
呼吸を整えるなら、鼻から3秒吸って口から7秒吐く方法もあります。
吐く息を少し長めにすることで、副交感神経という身体のブレーキが働きやすくなるとされています。
また、親指と人差し指の間にある合谷のツボを、心地よい強さで押してみるのもひとつです。
大切なのは、回数や時間ではありません。
ご自身が「気持ちいい」と感じられるかどうかです。
できる日もあれば、難しい日もあります。
そんな波があって当然です。
無理のない範囲で小さなケアを重ねていくことが、巡りと上手につき合う第一歩になるかもしれません。