コム・デ・ギャルソンのセレクトショップへようこそ。
春に京都で開催された『ラグジュアリー:ファッションの欲望』展が、いよいよ東京都現代美術館でスタートしました。今回の見どころは、ディオール表参道や金沢21世紀美術館、120社コンペを勝ち抜いた新ルーブル美術館新館などで話題の女性建築家、妹島和世さんが空間を構成した「特別展示会場」です。
美術館の重厚さとは対照的に、軽やかで開放的な空間になっていたのは驚きでした。コム・デ・ギャルソンの1991秋冬〜2008春夏コレクションから選ばれた約30点が、透明なアクリル板をカーブさせたパーテーションで真空パックのように飾られているのを見て、これは、妹島さんという店長がデザインしたセレクトショップなんだなと思いました。
アクリルの曲面は、光の反射で少し曇り、色とりどりの服が幻想的な美しさです。年代もコンセプトも異なる主張の強い服たちを、今っぽい手作り感覚でソフトにまとめてしまうセンスは、洋服好きの心をつかんで離しません。ときどき向こう側を歩いている人の頭と足が、服にぱっとはまりそうになったりするのも面白く、ストレスフリーでリズミカルに回遊できてしまいます。
会場を上からみると、まるでドール服みたいな愛らしさ。コム・デ・ギャルソンの服は肩の部分が美しく、しっかりデザインされたドレスなんだな思いました。ドレスコードは<光と夢のギフト>―そんな素敵なパーティーに招待された気分です。
クリスマスはレースの下着をペアで!
年末が近づくと、パーティーや忘年会の機会が多くなりますよね。洋服選びは悩みの種でもありますが、妹島さんの空間構成を見て、服をまとうことは、ある場所の風景の一部になることではないかと思いました。ドレスコードを意識することで、ホストへのマナーやリスペクトの気持ちが表明できるんですよね。そう考えると、お洒落というのは一人よがりではダメで、高度な客観性が必要なのかもしれません。
確かに、自分が幹事をやった飲み会などに、友達がドレスアップしてきてくれると嬉しいもの。そういう意味では、カップルにもドレスコードは必要です。せっかくお洒落してきたのに彼氏の気合いがゼロでがっかり、なんていう経験はありませんか?
なかなか気合いを入れてくれない彼氏には、プレゼント作戦が効果的です。今年のクリスマスは、MCのペア下着がインパクト大。レースがお揃いの下着なんてスゴ過ぎ!と思う人も、クリスマスなら十分あり。盛り上がらないわけがないでしょう。
私は、何年も前に読んだ『良いセックス、悪いセックス』(斎藤綾子・幻冬舎)の中のエピソードが未だに忘れられません。彼女はある男の部屋に初めて遊びに行った夜、男物の服を着せられ、彼の手でマニッシュに仕上げてもらい、連れ立って夜の街に繰り出すのです。すぐ帰るはずだったのに涙が出るほど楽しくて、その後仕事も休み、帰ったのは3日後だって......。これ、本当に楽しいだろうなあと想像します。そんなドキドキするような非日常感を、あなたもペア下着で手に入れてみませんか?
■KCI(京都服飾文化研究財団):https://www.kci.or.jp/