魅惑のランジェリーエッセイ 上流下着のつどい Upper Inner Salon|ワコール

19 Nov, 2014

セレブと下着と映画

マリリン・モンローのショーツはHANROだった。

ハンロ Vネックのコットンシームレス・キャミソール パッケージ
ハンロ Vネックのコットンシームレス・キャミソール パッケージ

 今年のハロウィンは例年にない盛り上がりでしたね。レストランで食事をしている魔女グループに遭遇しましたが、既視感があるなと思ったら、ファッション業界のイベントでよく見かける光景に近いものがありました。ファッショニスタたちの装いは、ふだんから一人ひとりが華やかで個性的ですから、たとえ仕事の場でも、集団になればいつだってハロウィン状態。ファッションのプロには、特別な仮装の日など必要ないのかもしれません。
 逆にハロウィンで仮装の楽しさに目覚めた人は、今後は毎日が仮装の日になっていくのでしょうか。昼は清楚なOL、夜はわがままな小悪魔、休日はオフタイムの女優というように、自分がイメージするキャラクターになりきる遊びは、多かれ少なかれ誰もがやっていそうなことでもありますね。今月は、そんな「なりきり遊び」を下着で楽しもうというお話。せっかくですから、なりきりの最高峰であるハリウッドセレブを目指してしまいましょう。

 セレブの下着といえば、130年の歴史をもつスイスの高級ブランド、ハンロです。最も有名なのが1955年の映画『七年目の浮気』のワンシーン。猛暑の日、デート中のマリリン・モンローのスカートが地下鉄の風でめくれ上がる時、つけていたショーツがハンロでした。彼女は涼しさを喜び、次の地下鉄が通ると再び風を楽しむ。しかし実は、スカートの中はスクリーンでは見えず、ショーツが見えているのは宣伝用のスチール写真だけなのでした。
 スタンリー・キューブリック監督の遺作となった1999年の『アイズワイズシャット』では、ニコール・キッドマンがハンロのVネックのコットンシームレス・キャミソール(通称スパゲッティトップ)を着ていました。しかも当時の夫トム・クルーズと絡むメインのシーンで。倦怠期の夫婦を演じた2人はその後離婚しますが、映画の中の彼女はキュートで、バストが綺麗に透けた白いキャミソールの上から、自分の乳首を両手でつまんだりしています。

左)ハンロのショーツをつけたマリリン・モンロー(宣伝用スチール写真)
右)ハンロ Vネックのコットンシームレス・キャミソール ¥8,100(税込)

「美女」になって「野獣」と過ごすクリスマス。

 私もハンロの同タイプの黒のキャミソールを愛用していますが、脇の縫い目もないシームレスでソフトなフィット感は着るたびに感激しています。光沢のあるコットン、Vネックのサテンの縁どり、華奢なのに安定感のあるストラップなど細部まで美しく完成され、胸や脇の開き具合を調整するアジャスターも優秀。次はワコールのウェブストアで白を買おうかなと考えています。よりいっそうニコール・キッドマンの気分に近づくために。
 白といえば、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(1920-2005)の話も有名。1981年の暗殺未遂事件で2発の銃弾を受けた時、ハンロの白い半袖シャツを着ていたといいます。奇跡的に一命を取り留めましたが、その日はファティマの聖母マリア出現の記念日だったため、本人は「聖母が守ってくれた」と語った。後に公開されたシャツの写真は、お腹に穴があいていましたが神々しく、教皇を守った力のひとつはハンロだったのかもしれないと思いました。

パルファージュ 48series
左)フェアリーフィットブラ ¥12,420〜(税込)、ソング(Tバック)¥5,292(税込)
右)キャミソール ¥18,360(税込)

 リラックスした女優を楽しむならハンロのキャミソールですが、クリスマスには姫系のなりきりにも挑戦したいものですね。パルファージュの新作48シリーズなら、公開中の映画『美女と野獣』のレア・セドゥの気分に。彼女が着替えるアイボリー、青、緑、赤のドレスはどれも胸の谷間を強調するタイプ。物語より谷間が気になりますが、彼女の意見を取り入れたというデザインは夢のようで、激しい動きをあらゆる角度から魅力的に見せていました。
 私自身は、ファッショニスタの友達にもらった派手なランジェリーセットを着るつもり。予定がないのに着るものは揃っているという状態です。予定のために買いに走るのも楽しいですが、着るもの先行なら、自分で企画したり、思いがけない誘いに乗ったり、積極的に人生を切り開こうという気持ちになる。そんなことに気づかせてくれたプレゼントでした。アウターなら躊躇する派手さも、下着なら歓迎。私も誰かに下着をプレゼントしようかな。

■HANRO(ハンロ):https://www.wacoal.jp/import/hanro/
■パルファージュ:https://www.wacoal.jp/parfage/

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