いい女は、黒でハッとさせる。
1969年の映画で、20代のカトリーヌ・ドヌーヴがイヴ・サンローランのモードを着こなしていました。とくに印象的だったのは黒い服。しなやかなブロンドヘアと対比をなす黒の美しさは鮮烈でした。肌やメイクの色も効いていましたが、彼女の輝きの真骨頂は何といってもブロンドです。とはいえ地毛は褐色なのだそうで、10代の頃の髪は黒っぽかった。カトリーヌ・ドヌーヴは、髪の色を制御し続け、生涯のトレードマークにしてしまったのです。
ある美容師さんが言っていたこと。「黒髪の人は明るい髪に憧れ、明るい髪の人は黒髪をうらやむ。くせ毛の人は直毛に矯正し、直毛の人はパーマをかけるんだ」。私は、それこそがおしゃれの本質だと思いました。つまり変身願望です。ダイナミックな変身が成功した場合、半永久的にメンテナンスを続け「自分のもの」にしてしまう人は少なくないのではないでしょうか。一生これで行くと決意したくなるスタイルに出会えたら幸せですね。
さて、カトリーヌ・ドヌーヴではない私たちが、黒をすてきに着こなすにはどうすればいいか。最近は、紫外線対策に黒を取り入れる人も増えました。夏の野外イベントでは、肌を出さずに帽子まで全身黒ずくめの人を見かけますが、盛夏にはさすがに重い。髪をブロンドに染める手もありますが、幸か不幸か今年のブームは黒髪に太眉、ごついチャンキーヒールだったりします。黒い服を選ぶなら、明るめの口紅や小物の活用は必須でしょう。
ランジェリーの場合、状況を考えるとメイクや小物のコーディネートには限界があり、夏の黒髪+黒下着は地味に見えてしまいがちですね。下着と自然にコーディネートできるアクセサリーはネイルくらいでしょうか。仕事柄、手の爪は派手にできない人も、足の爪は解放区。フットネイルのひそかな楽しみは、下着の楽しみに似ています。フットネイルがドキッとするほど弾けている人は、下着へのこだわりもスゴいのではないかと思うのです。
空港で自慢したくなる下着?
結論を言いましょう。今シーズンの「よそゆきの本命」というべきランジェリーを見つけました。黒をベースにリゾートカラーがミックスされた下着たちです。4月に発売されるサルートのSeries24(BL)は「海底に潜む神秘の宮殿でミステリアスな輝きを放つ財宝」をイメージしたターコイズブルーと白が、黒を引き立てます。「透き通った水中に広がる庭園でやさしくやわらかに咲く花々」が涼しげに黒を彩るのは、6月発売のSeries30(BL)。
6月発売のスタディオファイブ54G Collection(BL)は、ミラーボールのようなモザイク柄。「巧みなライティングで女性の裸体に映しだされるカラフルかつシャープな官能的光景を、柄の異なる2つのチュール刺繍レースを組み合わせて表現」したそうです。これらのコレクションは、黒がベースでありながら華やかさが楽しめるのが魅力。ふくよかなバストは引き締め、やせているバストはボリューミーに見せる色彩効果もありそうです。
ブラとショーツはもちろん上下セットで揃えたいですが、黒ベースのカラフルなブラは、シンプルな無地のショーツとも相性がよく、コーディネートが広がります。黒のショーツならどれも大人っぽくシックに決まりますし、大胆に楽しむなら、サルートのSeries24(BL)のブラに白のショーツなんて刺激的ではないでしょうか。スタディオファイブの54G(BL)のブラに赤いショーツの組み合わせなども、チャレンジしたい衝動にかられます。
それ自体がアクセサリーのような美しいランジェリーは、旅のお供にしたくなりますね。持ち歩く下着は、つけている下着とは別の意味でドキドキします。個人的には、タグなどがついたままの新品を持っていくのが好きですが、いつどこで見られたとしても、恥ずかしさが薄れるような気がするからかもしれません。いずれにしても「バッグにアレが入っている!」と思うだけで嬉しくなるような下着をつめて、旅に出たい。
■サルート:https://www.wacoal.jp/Salute/