トレフル×福島リラさんのコラボレーションが実現。
今、大切にしたいのはどんな下着ですか。トレフルの40周年を記念して誕生した「カプセルコレクション」には、その答えがあるような気がします。"カプセル"という表現は、純度の高い宝物を思わせますね。世界に通用するラグジュアリーなランジェリーブランドとして1977年にスタートしたトレフルは今、私たちに何を伝えてくれるのでしょう。
今回のコレクションでクリエイティブ・ディレクターを務めたのは、トップモデルであり、女優としてハリウッドでも活躍する福島リラさん。チーフデザイナー高田美知代さんとの対談では、モデルとしてのランジェリーへのこだわりが明らかに。もともと「洋服は他の方に選んでもらう分、下着は好きなものを身につけたい」という強い思いがあったそうで、打ち合わせ時には、好みのイメージを伝える私物などをたくさん用意したと話してくれました。
試作を繰り返し完成したコレクションは、トレフルというブランドの品格に、新しい魅力を吹き込むものとなりました。それは、繊細なリバーレースやイタリア製のストレッチサテンを贅沢に使いながら、つけごこちや扱いやすさにこだわったリアルクローズランジェリー。ブラと2種類のショーツ、スリップ、そしてロマンチックな七分袖のランジェリートップ(おそろいのリバーレースのポーチ付き!)という、プレミアムなアイテム構成です。
世界の一流を肌で感じ、身体を使って魅力を表現するプロであるリラさんとのコラボレーション。その到達点は、しなやかで動きやすく、からだのラインを綺麗に見せるランジェリーでした。グローバルに個性を発揮してきたリラさんは、今を生きる女性たちに、自分らしい美しさを究めることの価値を教えてくれます。ランジェリーとは、他人との比較ではない個人的な聖域であり、内なるその豊かさは、変化の時代を美しく生き抜く力となるでしょう。
ランジェリーの歴史と未来の競演。
もちろん、ランジェリーには見せる喜びもあります。そのことを強く意識できるイベントが展覧会ではないでしょうか。3月末に開催された日本ボディファッション協会主催の「NBFランジェリー展覧会2017」には、ワコールをはじめNBF会員各社のクリエイターや学生たちが参加。ランジェリーの発想とアプローチの方法は無尽蔵であることに気付かされました。歴史と未来がないまぜとなった才能の競演は、夢を見ているようでもありました。
たとえば、ランジェリーの原点であり、ドレスなどのスカートを美しく膨らませるパニエやクリノリンを新たな発想でよみがえらせた作品は、クラシカルでありながらモードの最前線。会場には、コルセットのレプリカとパニエを試着体験できるコーナーもあり、19世紀の貴婦人に思いをはせることができました。コルセットの締め付け感とパニエのボリューム感のコントラストは、非日常の気分を大いに盛り上げてくれるものといえるでしょう。
コルセットやパニエから解放された時代のランジェリーをテーマにした作品もありました。体を締め付けないハイウエストのエンパイア・スタイルが特徴のシュミーズは、春に咲き誇るスズランなどの花々が軽やかに散らされ、とても華やか。黒のロングスリップに、西陣織のハギレをはめ込んだコルセットを帯のように締め、花のアップリケも散らした和風ティーガウンセットは、和洋折衷のゴージャスさが印象的でした。
カラー別に編集されたゾーンでは、ストリートの要素を取り入れ、ブルゾンとニーソックスをプラスした、未来的なネオンピンクのコーディネイトが登場。個性的な白のバリエーションにも魅了されました。VR(仮想現実)の進化とともに、リアルなモノや体験の価値がいっそう高まっている今、日本のクリエーション・パワーを再確認した次第です。いろいろなものを見て、さわって、感じて、あなたの心に響くリアルクローズを見つけてみませんか。
■NBFランジェリー展覧会2017
https://www.nbf.or.jp/lingerie/2017/