下着のコーディネイトは「トレフル」から始まった。
「上流下着のつどい」は、おかげさまで記念すべき第100回を迎えました。ありがとうございます!下着を愛する方々に支えられてきたこのコラムですが、そもそも「上流下着」という言葉が生まれたのは「下着は下ではない」という思いから。下着とは下に着るものではなく、最初に身につける素敵なもの。隠すものではなく、からだをより美しく見せる誇り高いもの。自分へのご褒美にふさわしい上質な下着を考える機会として、始まりました。
下着の楽しみは、アイテムの進化とともにあります。装飾にこだわったランジェリー、機能を追求したファンデーション、その両方を併せ持つもの。選択の幅が大きく広がり、セクシュアルもコンフォートもボディメイクも思いのままになりつつある今。下着の魅力を引き出すポイントは、コーディネイトではないかと思います。下着と下着のコーディネイト、下着とアウターのコーディネイト、そして、下着をアウターとして見せるコーディネイト...。
第100回を飾る今回の主役は、1977年にライフスタイルの多様化とともに、ワコールのプレステージブランドとしてデビューした「トレフル」です。フランス語でクローバーを意味するトレフルは、ヨーロピアンテイストの香りを受け継ぎ、素材・機能・デザインすべての洗練を志向し続け、現在に至ります。下着にコーディネイトの発想を持ち込み、ベージュや白がメインだった市場にカラー革命の先鞭をつけたのも、このブランドでした。
今年40周年を迎えたトレフルが提案するのは、ランジェリーをファッションの一部として見せる「ランジェルック」。ハイクオリティなディテールを活かしたモードです。装飾的なランジェリーを着る機会なんてあまりないと思っている人も、ここにご紹介したコーディネイトを見て考えが変わるのでは? オリジナルの着こなしでランジェルックのお手本を見せてくれたのは、米国生まれのファッションジャーナリスト、ミーシャ・ジャネットさんです。
ミーシャ・ジャネットに学ぶ、モードな「ランジェルック」。
ミーシャ・ジャネットさんは、英語と日本語で発信する「東京ファッションダイアリー」が注目を集めるブロガーで、ショーのディレクションやアーティストのスタイリングも手掛ける多才な人。今回のランジェルックについては「なんで今までやらなかったんだろう。。。ってくらい最高な出来映えになりました!」とのこと。トレフルの2017年秋冬展示会のトーク&ランジェルック・ショーでも、その魅力を語ってくれました。
「光る素材や刺繍のついたモードなお洋服は、何十万円もしますよね?ランジェリーなら、質の高い装飾が施されていてリーズナブル。いろんなアイディアで、洋服としても着回してほしい」。ミーシャさんの言葉は、大切に保存しておきたいランジェリーを、表舞台に出してしまおうという逆転の発想。贅沢に思えるランジェリーも、実は気軽に手に取り、手軽に洗えるモードだったという事実。ランジェリーの使い方が何通りにも広がりそうですね。
写真でご紹介した4つのランジェルックの中で、最も日常的に取り入れやすそうなのがA。ロングジレとワイドパンツにレースのキャミを合わせた、甘辛ミックスなワークスタイルです。ブラを透けて見せていますが「キャミのインに着るアイテムは好きなものを」とミーシャさん。黒いシャツやハイネックもおすすめだそう。Bはギークガール風のデニムスタイルで、スリップを上に着て、胸もとに色違いのコサージュベルトを巻くセンスがおしゃれ。
Cはランジェリートップとペチコートを合わせ、ウエストをマークしたザ・ドレススタイル。DはCと色違いのトップスですが、キャミソールなしで着るとこんなにもイメージが変わるのかという好例です。いずれのコーディネイトも、繊細なレースや刺繍、手仕事によるコサージュなど、トレフルならではの優美なこだわりが活きているのはさすが。毎日の変身を軽やかに楽しみたいという、私たちの飽くなき欲求を満たしてくれるのは、美しさと扱いやすさを兼ね備えたランジェリー。
ミーシャさんの着こなしをヒントに、さっそくチャレンジを!
■ミーシャ・ジャネット
Tokyo Fashion Diaries 東京ファッションダイアリー
https://www.tokyofashiondiaries.com/