あたらしい銀座店、そしてロンドンへ。
6月4日、WACOAL DIAの新しいお店が銀座6丁目にオープンしました。銀座駅から徒歩3分のバーニーズ ニューヨーク向かい。光あふれる輝きの空間に、シーズンコレクションをはじめ限定のアイテムやコーディネートを広げてくれる小物が美しくディスプレイされ、ブランドが織りなす世界をトータルで楽しめる趣向です。ゆったりとした試着室も2部屋が用意されており、心ゆくまでフィッティングをしてみたい誘惑にかられます。
2004年に銀座・並木通り店(現在はクローズ)からスタートし、今年で7年目を迎えるWACOAL DIA。直営店である銀座店と東京ミッドタウン店のほか、国内6店舗の百貨店で展開中ですが、この夏、もうひとつビッグな朗報が。8月上旬、英国の百貨店ハロッズに初の海外出店が決まったのです。
ハロッズは、ヴィクトリア朝時代にさかのぼる歴史をもつ老舗。宮殿のような風格ある建物は、銀座にも似たロンドンの高級ショッピング街、ナイツブリッジの名所となっています。4.5エーカー(18,000m²)の敷地を有し、年間1500万人が訪れるそうですが、WACOAL DIAが出店するのは、ファースト・フロアのランジェリーコーナー。
イギリスでファースト・フロアといえば2階のことですが、これは外敵の侵入を防ぐため、城の主塔の入り口を2階に設けていた中世の名残。当時、最も重要な大広間も安全性への配慮から2階にあったそうで、つまり最初に足を踏み入れる場所が2階だったのです。ハロッズの2階は人気のウィメンズブランドが並ぶトレンドスポット。2008年にはヴーヴ・クリコのシャンパンバーもオープンし、まさに最初に足を踏み入れたいフロアです。
中世から今に続くヨーロッパの美学とは?
高級リバーレース、ラッセルレース、繊細なチュールや刺繍を用い、国内の縫製工場でオートクチュールのように丁寧につくられるWACOAL DIAの珠玉のコレクション。アップで見れば見るほど感嘆してしまうこだわりの技が、ヨーロッパで多くの人に披露されるのは日本人として誇り高いこと。銀座店プレオープンと同時におこなわれた2011年秋冬の新作プレゼンテーション「中世からの未来」も、奇しくもヨーロッパの古城がテーマでした。
森と湖に囲まれた中世の城を舞台に、塔の窓から妃が見つめた未来をイメージしたというコレクションは凛々しくてエレガント。貴族社会の象徴として騎士のサーコート(短めの上着)や武具に使われた紋章にヒントを得た、剣のような百合の花や王冠のモチーフは8月に店頭登場予定。コレクターズアイテムと呼びたいかっこよさです。
コルセットを思わせるシンプルなチューブトップや、輪になっているため首から外れることなく自在にアレンジできるストールは、コーディネートの最強アイテムになりそうです。透けたトップスやペチコートは一瞬、どうやって着ればいいのだろうと思ってしまいますが、重ね方のアレンジを覚えると何通りもの着こなしができるのがこのブランドの魅力。薄くてかさばらないため、旅先でのドレスアップにも使えますね。
リピーターのお客様が多いのは、少しずつ買い集めることで楽しみが広がるから。ものを大切にし受け継いでいくヨーロッパの精神は、日本人が見習いたい点でもあります。WACOAL DIAのシーズンごとのコレクションには、毎回、想像力をかきたてる夢のようなストーリーがつまっていますが、それらは、壮大な宇宙の物語の一部なのかもしれません。
参考文献
「中世ヨーロッパの城の生活」(講談社学術文庫)
「紋章の歴史/ヨーロッパの色とかたち」(創元社)
WACOAL DIA銀座店
東京都中央区銀座6-7-9/TEL:03-5537-0850
営業時間:平日 11:00〜19:30/日祝日 11:00〜18:00/定休日 年末年始
フィッティングルームはご予約優先
■WACOAL DIA:https://www.wacoaldia.com