年齢を感じさせないクサマ・パワー。
アーティスト草間彌生(くさま・やよい)の回顧展が、昨年5月より欧米の4都市を巡回しています。マドリッドの王立ソフィア王妃芸術センターを皮切りに、パリのポンピドゥー・センターを経て、現在はロンドンのテート・モダン、7月からはニューヨークのホイットニー美術館というスケジュール。日本人作家の個展が、現代美術の最高峰といわれるこれらの美術館を巡回するのは初めてだそう。
しかし、草間彌生の最新の創作活動を目に焼きつけるなら、4月8日まで大阪の国立国際美術館で開催されている展覧会「永遠の永遠の永遠」に足を運ぶべきでしょう。私も先日訪れましたが、予想以上の大盛況でした。彼女の現在進行形の姿は、もはや「元気をもらえる」などというレベルではないことがわかります。
幼少時の幻覚体験をもとに10歳の頃より絵を描き始め、20代後半からのニューヨークでの活動により、前衛芸術家として一気に注目された草間彌生。過去の作品だけでも十分に見ごたえがありますが、ここ数年の創作意欲は驚異的。2009年から始まった「わが永遠の魂」シリーズは既に140点を超え、今日も描かれ続けているのですから。
アトリエでの制作風景は映像コーナーで見ることができ、「絵の力で生きている。絵がなかったら、とうに自殺していた」「描きまくって死にたい」という肉声が心に響きます。自由に撮影できる巨大なチューリップの彫刻作品を展示した部屋や、LEDの光がきらめきながら増殖する異空間を体験できるような部屋もあり、まるで「クサマ・ワールド」に遊びにきたようでした。
下着とのコラボレーションが実現!
実はこの展覧会に先立ち、昨年12月、東京のスパイラルガーデンで、スペシャルなコラボ・エキシビション「飛んでゆけ、私の愛する下着たち」が開かれていました。ラクなのに造形性のあるノンワイヤーブラ「ファンファンウィーク」のアーティストシリーズ第3弾として、草間彌生のオリジナルデザインの下着が発売されることになったからです。
草間彌生のシンボルともいえる巨大なカボチャとともに、発売予定のブラとパンツが展示されたのですが、黄、青、赤、ピンクをベースにした4種のテキスタイルのポップな可愛らしさにはびっくり。それぞれ草間彌生の詩がそえられているのですが、黄色のカボチャの下着の脇には次の詩がありました。「カボチャ、私が宇宙への愛のメッセージを送る このときがきたら、私の下着の中にひそむ カボチャの美しさに涙をながす」
なんだか宇宙と下着と私たちの魂がつながっているような、そんな不思議なパワーを感じました。こんなアーティストとコラボしてしまったウンナナクール、すごいです。
クサマ・テキスタイルを素肌につけるとき、私たちはどんな気分になるでしょうか。最強のアンチエイジング・アイテムであることは間違いないですね。何はともあれ、5億5000万円で落札された実績をもつ彼女の最新デザインが「上下合わせて6615円!」は破格。このチャンスをみすみす逃す手はありません。
■公式サイト ウンナナクール: https://www.une-nana-cool.com/