クリスマスの銀座で目の保養。
クリスマスシーズンの街は、いつもと違う特別な熱気があふれています。イルミネーションやディスプレイ、そして限定アイテムやサービスの数々。1年の締めくくりを飾るクリエーションには特に力を入れているブランドが多く、お店をちょっとのぞいてみるだけで楽しいし、刺激になりそう。せわしなくなりがちな時期ですが、ゆっくりと街歩きを楽しまない手はありません。
銀座2丁目のブルガリ銀座タワーでは、12月30日まで「イタリア至高の輝き展」を開催中。ローマ本店のアーカイヴコレクションのジュエリーでたどる128年の歴史は、めくるめく旅のよう。中でもエリザベス・テイラー愛用のジュエリー8点は、日本初公開ということもあり見逃せません。8回の結婚と7回の離婚経験がある彼女は、お相手のひとりであるリチャード・バートンに「リズが知っているイタリア語はブルガリだけ」と言わせたそうです。
ブルガリからマロニエ通りを有楽町方面に歩くと、ボッテガ・ヴェネタの銀座店があります。クラフツマンシップに関する本がリリースされたということで見に行ったのですが、この本は素晴らしい。バッグや革小物から始まり、靴、プレタポルテ、ジュエリー、時計、家具や食器、フレグランスまで、美しい写真を眺めているだけで「ヴェネト地方の工房」を意味するこのブランドの魅力の秘密が解き明かされるような気がします。
土地と職人、そしてブランドの象徴であるイントレチャート(編み込み)の技術をこれほどまで大切にしている理由は何なのか。手作りの温かさと高級感をどのように両立させているのか。ボッテガ・ヴェネタはブランドロゴを前面に出さないことで知られていますが、なぜそんなことが可能なのか。すべての疑問に答えてくれる本といっても過言ではありません。
イルミネーションのようなドレス。
さて、クリスマスのランジェリーといえば、どんなブランドが思い浮かぶでしょうか。個人的にはWACOAL DIAですね。北ヨーロッパの空気を感じさせるコレクションが多いからでしょうか。実はこの日、クリスマスのランジェリーとともに、来年の春夏コレクションが見られるということで、私はWACOAL DIAの銀座ブティックに向かったのでした。ボッテガ・ヴェネタから西五番街を新橋方面に銀座6丁目までまっすぐ歩けば到着です。
まず目に飛び込んできたのは、エスパスブルーとシルバーのコーディネート。LEDのクールなイルミネーションを思わせる輝きに引き寄せられてしまいました。エスパスブルーは、ふんわりした襟のショートトップスが可愛いですね。シルバーのほうは、冷たい輝きなのにほどよい厚みと流れるようなシルエットが美しく、冬のドレスにふさわしい品格が感じられました。クリスマスにどちらをおねだりしようか、悩んでみるのも悪くないと思います!
一方、2013春夏コレクションは「アーティスティック(ARTISTIQUE)」がテーマ。ひとつひとつのコレクションに面白い仕掛けや物語があり、スタッフの方に説明を聞いているだけでわくわくしました。遊び心たっぷりなのですが、それだけではありません。製品を構成する要素である「素材」「デザイン」「パターン」「色」「縫製」のすべてに妥協のない職人のテクニックがあるからこそ、遊び心がアートに昇華するのだと気づかされました。
実際に近づいて見たり、触れたりすると、遠くから見るだけではわからない細部の工夫に感動します。皆さんもぜひWACOAL DIAのお店に行ってみてください。春夏コレクションが店頭に並ぶのは来年ですが、いつの季節も「いいものを見たい」という期待が裏切られることはありません。試着をしたら最後、恋に落ちてしまうかも。きっとリチャード・バートンの言葉のように「私の肌が知っているのはWACOAL DIAだけ」と言ってみたくなるはずですよ。