お父さんにも分かりやすく解説!
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お父さんの育児参加が多くなっている昨今。
平成26年度の内閣府「女性の活躍推進に関する世論調査」では、
「男性も家事・育児を行うことは、当然である」と回答した男性が
58%となっており、父親の育児は当たり前になりつつあります。
また、近年はお父さんが一人で子育てをしている父子家庭も少なくありません。
平成28年度の厚生労働省「全国ひとり親世帯等調査」によると、
日本の父子家庭の世帯数は18.7万世帯と推計されていますが、
母子家庭と比べると父子家庭はメディアなどで取り上げられる機会も
まだまだ少ないため、父子家庭ならではのお悩みを抱えているお父さんも
たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
特に、お一人で思春期の娘さんを育てているお父さんは、
ご自身が経験した男の子としての「からだの変化」と、
女の子の「からだの変化」との違いに、
不安や戸惑いを感じる機会があるかもしれません。
特に初めてのブラなど
下着選びに悩むことも少なくないのではないでしょうか。
ブラジャーはいつ頃からつけるもの?
どんなブラジャーを選んだらいいの?
そんな疑問や不安を解消できるように、女の子のからだの変化や、
初めてのブラ、成長に合ったブラの選び方について、
お父さんにもわかりやすく解説します。
データで知る
女の子の「からだの変化」
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娘さんを育てているお父さんは、女の子のからだの
成長過程や時期について、どのくらいご存じでしょうか。
まずは、ワコール人間科学研究開発センターのデータで、
女の子のからだの変化について解説します。
時代と共に
プロポーションや成長の時期が変化
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女の子の体型は時代とともに変化していて、
ワコール人間科学研究開発センターのデータで
1980年代と2000年代の女の子を比較すると、
身長は2.2cm高く、体重は0.9kg重くなっています。
また、プロポーションはほっそりと、
バストはボリュームが大きくなっています。
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バストはボリュームだけでなく、成長する時期も変化しています。
バスト全体がふくらみはじめている女の子の割合を比較すると、
2000年代のほうが成長の時期が早くなっていることがわかります。
特に11歳では、バストがふくらみはじめている女の子の割合が
1980年代は46%だったのに対し、2000年代は63%となっており、
時代と共に大きく変化していることが見てとれます。
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体型の変化と共に、はじめての月経を迎える時期も早くなっています。
1980年代は12歳で初経を迎えている女の子が20%だったのに対し、
2000年代では38%に。
お父さんが子どもだった頃と比べると、からだの成長が早くなっているのです。
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からだつきの変化としては、まずバストがふくらみ、ウエストのくびれが
目立ちはじめ、ヒップの丸みが出てくることで、大人っぽい体型になります。
この時期に、ヒップや太ももの急な成長を
「太った」と勘違いして気にする子どもがたくさんいます。
でもこれは太ったわけではなく、
子どもから大人へと体型が変わってきているから。
周りの大人が「太った?」などと発言すると、本人が気にしてしまいます。
お父さんが不用意な発言をしてしまわないよう気をつけましょう。
もし娘さんがこの時期に「太った」と気にして
無理なダイエットをしようとしていたら、
大人の体型へと変化している時期だと説明してあげると良いでしょう。
また、成長の個人差が大きいのが思春期の特徴ですので、
「早い」「遅い」を過度に心配する必要はありません。
でも、2011年に実施したアンケート(※)を見てみると、
思春期のからだの不安を持つ子どもに対する「どんなことが不安?」
という質問への回答として、「友達と差があること」が1位になっています。
大人が「○○ちゃんと比べて早いね」などと安易に比較しないことが大切です。
お父さんも、全体的に成長が早くなっていることや、
個人差が大きいことを忘れずに、
娘さんの成長をしっかりと見守ってあげてください。
※(ワコール調べ:成長期の女の子たちのための下着教室 「ツボミスクール」アンケートより 2011年4月~12月実施)https://www.wacoalholdings.jp/news/newsfile/51801_1.pdf
- 【参考文献】
- ・※1男女共同参画局「本編 > I > 第5章 > 第9図 母子世帯数及び父子世帯数の推移」
・※2内閣府「平成26年女性の活躍推進に関する世論調査」
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r01/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-05-09.html
https://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-joseikatsuyaku/2.html
女の子のバストの成長で
大切な「4年間」
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ワコール人間科学研究開発センターでは、1976年から35年間にわたって、
4歳から18歳までの女の子たち280人、
延べ4,500人のバストの変化を計測しました。
そのデータを分析した結果、成長期のバストの変化に関して、
次のことが明らかになりました。
バストは3つのステップで「かたち」と「かたさ」が変化し、
約4年間で大人のバストへ成長します。
そして、その変化の順序はみんな同じでした。
まず、乳頭周辺がふくらみはじめる「ステップ1」。
ふくらみが横に広がる「ステップ2」。
その後、全体が立体的にふくらむ「ステップ3」を経て、
大人のバストへと成長していきます。
3つの成長ステップはみんな同じですが、
変化が始まる時期には個人差があるため、
「バストの成長は何歳頃から始まる」と年齢で判断することはできません。
バストの成長は、実は年齢ではなく初経の時期と深く関わっています。
バストが成長する時期は、初経を迎える前後の約4年間。
乳頭周辺がふくらみはじめる「ステップ1」は、
初経の1年以上前から始まります。
初経を迎える頃は、ほとんどの子どもがすでに「ステップ2」の段階。
そして、初経がやってきて3ヶ月から1年ほどで「ステップ3」へと移行します。
バストの成長が落ち着くのは、初経から3年以上経ってからです。
初経を迎える年齢は、非常に個人差が大きいもの。
バストの成長は初経の時期に関係するため、ふくらみはじめる時期や
年齢による成長段階に個人差があるのは当然なのです。
「父親が娘の初経について知るのは難しい」と
感じるお父さんも多いかもしれませんが、
機会が来た時は明るく肯定的に伝えてあげることで、
お子さんも前向きに考えられるかもしれません。
お父さんも知っておきたい
初めてのブラ・
成長に合ったブラの選び方
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3つのステップを経て、
「かたち」や「かたさ」を変えながら大きくなる成長期のバスト。
成長期専用のブラジャーは、
成長期のバストをやさしく包むためのもので、
やわらかいバストを造形(寄せ上げ)する
大人用のブラジャーとは、つける理由が異なります。
ここからは、ステップごとの特徴や各ステップに対応した
成長期専用のブラジャーについて、詳しく解説します。
ふくらみはじめの
敏感なバストを
ふんわり守る
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ふくらみはじめた乳頭の周辺は、
衣服とこすれるとチクッとした痛みを感じたり
むずがゆかったりと、とてもデリケートな状態です。
また、体操着や洋服の上からでもプクッと乳頭が目立つようになります。
「乳頭が衣服にこすれない」「乳頭を目立たせない」ために、
トップ部分にクッションが入った
やわらかな素材のブラジャーでふんわり守りましょう。
バストの部分が二重になっている
キャミソールや肌着を入門編とするのも良いでしょう。
ふくらみが
はっきりしてきたバストを
揺れから守る
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バスト全体がふくらみ、
バストの下の輪郭がわかるようになるステップ2の時期。
ブラジャーをつけていないと、
「バストが揺れるのが恥ずかしくて思いきり動けない」
「バストが揺れて痛い」などと感じる子どもたちが増えてきます。
バストを包んで支え、揺れを少なくして
思いきり動けるようにするために、ブラジャーが必要になってきます。
初経を迎える頃にはほとんどの子どもがステップ2の段階ですので、
ブラ着用の目安にしてみてください。
まだまだ大人じゃない
かたいバストを
押さえず支える
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まるく立体的にふくらみ、見た目はほとんど
大人のようなバストになるステップ3。
女性の一生を通じてもっともバストがかたくなるのが
この時期の特徴です。
やわらかい大人のバストの形を造形(寄せ上げ)する
大人用のブラジャーでは、
「ぴったり合わない」「ブラがずれる」などの
違和感を覚えることがあるため、
大人用ではなく成長期のバストにフィットする
専用のブラジャーをつけることが大切です。
かたくふくらむバストを押さえず支えるために、
やわらかいワイヤーや伸びの良いカップ素材を使った
成長期専用のブラジャーを選んであげてください。
※画像はイメージです。
ポイントとまとめ
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ここまで、成長期の女の子のからだの変化、
成長の段階に合わせたブラジャーの必要性や選び方について
ご紹介してきました。
お父さんにもぜひ知っておいてほしいポイントは、やはり
昔と比べて成長が早くなっていることや、
個人差が大きいこと、
そして成長期専用のブラジャーの大切さです。
成長が早い女の子は
「ブラをつけるのは恥ずかしい」「友達がまだ着けていない」など
ブラ着用を嫌がることもありますが、
ブラをつけていないと運動の妨げになったり、
胸をかばって前かがみになることで
姿勢が悪くなったりする可能性もあります。
子どもやおうちの方がバストの成長に気がついておらず、
ブラをつけていないことに周囲の大人がハラハラしてしまうケースや、
子ども本人は気づいていても、なかなか自分からは言い出せずに
一人で悩んでしまうというケースもあります。
お父さんもこころとからだが
大きく変化する時期のお子さんを見守り、
寄り添ってあげてくださいね。